イオンフィナンシャルサービス(8570)上場以、初の減配を発表……

上場以来、減配をしたことがないイオンフィナンシャルサービス(8570)。コロナ禍の影響を諸に受け、大幅な通期減益と配当の大幅な減配と第一四半期の赤字転落を発表しました。
アナリストの予測はもちろん、6月発売となった四季報予想も大きく下回る大幅減益決算に加えて、配当も前期68円から23円へ、ほぼ三分の一に大幅減配を発表。悪材料の目白押しとなったため、これがマーケットに嫌気され、7/9の株価は図のようにマイナス15%と暴落し、3月安値を更新、年初来安値を記録しました。

4月のアナリスト向け電話会議では会社側は「安定配当の意思」を表明していた……
これまでイオンフィナンシャルサービスは配当を減らしたことはありませんでした。金融危機となったリーマンショックでもあり得なかったことなので、会社側は4月の2020年2月期決算発表の電話会議においても「安定配当の意思」を示していたことが、みずほ証券並びにSMBC日興證券のアナリストレポートを見ても分かります。


配当利回り6~7%台を期待した株主と投資家は欺かれた……
会社側は安定配当の意思を示し、過去にも減配したことが無い銘柄で、かつ四季報でも減配する予測などは一切ありません。アナリストも同じく配当は維持されるとの見方があったため、みずほ証券では配当利回りが注目される、としていました。
これらの、手持ちの資料をできるだけ活用した投資家は3月~4月に付けた1000円割れの株価水準であれば、配当利回りが7%前後とかなりの高利回りとなるため、これに買い向かいます。株価は一時1300円を超える水準にまで上昇しました。
しかしながら結果として、会社側の利益計画・配当提示額は、思ってもいない水準であり、配当は維持されると見た投資家は欺かれることになりました。

インカムゲイン投資の欠点が露呈
もちろん、この配当利回りから考えて、かなり割安で高配当と見ていましたので、私も買い向かいました。が、結局損切りする羽目になりました……。
配当は多少なりとも減配されるとは思っていたのですが、ここまでの減配は想定外のため、ポートフォリオ内での予定していた受取配当金額が減少し、かなりのショックを受けました……。
インカムゲイン投資は減配があると目算が狂い、どうしてもポートフォリオを見直しせざるを得なくなります。景気後退期ではよく見られるパターンです。
私も昨年は日産自動車で減配を喰らい、今年は出光興産・SUBARU・三菱ケミカルなどの高配当銘柄で減配をまともに受け、ポートフォリオの調整を余儀なくされました。
インカムゲインを重視すると、どうしてもこうした減配リスクに晒されます。しかも減配があると、株価が大幅に調整する為、資金額も減少することになります。これはインカムゲイン投資の最大の欠点です。
減配は事前には分からない……
会社にはそれぞれ色々な方針があります。配当性向を忠実に守る会社、配当金額を重視して減配しない会社、赤字になればさっさと無配にする会社、など。
予め、決められた配当性向によって配当金額が増減することが分かっていれば良いのですが、イオンフィナンシャルサービスの場合は、そういう決まり事はありませんでした。過去を遡って見ると、配当金額を維持している・リーマンショックでも減配はない、という実績を見て投資判断を下したのですが、結果としてイオンFSについては、それは間違いだったことになります。
緊急避難的に「手堅い銘柄(ソフトバンク 9434)」と入れ替え
これ以上、減配ラッシュの波に呑まれることは許されません。コロナ禍でも着実に増益・増配を達成すると見込まれ、かつ1400円程度の株価と手頃であり、配当利回りも6%を超える高配当のソフトバンク(9434)と入れ替えを決断しました。
これまでもソフトバンクはポートフォリオの中核銘柄として組み入れていましたが、今回はイオンフィナンシャルサービスの衝撃決算を受けて、緊急避難的にソフトバンクを追加で組み入れることにしました。
高配当銘柄はメガバンクやREIT、その他事業会社などがありますが、今回は減配可能性が極めて低いことと、堅めの業績予想をしておりさらなる利益と配当の上積みがありそうなソフトバンクを選択することにしました。
インカムゲイン投資には辛い時期
いまは業績下方修正ラッシュのため、配当は減らされやすい環境下であると言えます。さらに株式市場は「グロース株で無ければ株にあらず」という状況のため、PER100倍などの銘柄はザラにあり、またそういう株の方が大きく値上がりする傾向にあります。
こういう時期なので、今はポートフォリオ内のインカムゲイン総額を重視するよりも、現状では無配や低配当であっても低PERでかつ利益が伸びる成長株(=将来のインカムゲイン銘柄)を持っていた方が良いのかも知れません。実際、数銘柄そのような株を買ってみましたので、またここで記録に残していきたいと思います。
一先ず。今日の所は、ショックが覚めやらないのでこの辺りで……。

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Source: 株主優待と高配当銘柄で果樹園経営のような株式投資をしたい
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